ベアリングとフリクションステッカー
ダンカンのヨーヨーには、ボールベアリング軸とフリクションステッカーを採用したヨーヨーが多数有ります。このページでは、ボールベアリングとフリクションステッカーの特性を考えてみようと思います。ヨーヨーの基本的特性ってご存じですか?
そう!スリープとリターンです。空回りと戻りですね。
この二つの特性は相反する特性です。
スリープ(空回り)するのはヨーヨーがリターン(戻り)しないからです。
基本的にリターン特性が良ければスリープ特性が悪くなり、スリープ特性が良いとリターン特性が悪くなります。
究極のヨーヨー特性は、最高のスリープ特性を持ち、最高のリターン特性を持つことです。
実は、ボールベアリングとフリクションステッカーにより、この相反する究極の特性が実現できるのです。
ボールベアリングを軸に採用すると、ロングスリープが可能になります。
ボールベアリングは、軸とストリングの間に入りストリングと軸との摩擦を軽減させる働きをします。
ヨーヨーストリングとヨーヨーアクセル(軸)に摩擦がないからロングスリープが可能になるのです。
しかし、ヨーヨーストリングとヨーヨーアクセルの摩擦がほとんど無くなるので、ヨーヨーが戻らなくなります。
フリクションステッカーは、ヨーヨーの戻りを良くするための摩擦(フリクション)を作り出します。
ストリングとヨーヨー本体との摩擦を大きくするためのステッカーです。
このままでは、スリープしないのでは?と思いますが、実際は良くスリープします。
ヨーヨーがスリープしているときは、ヨーヨーストリングがピンと張りつめているためヨーヨーストリングとフリクションステッカーが接触しにくい構造になっています。
軽くヨーヨーストリングに刺激を与えてやるとヨーヨーストリングに弛(たる)みが生じ、一瞬、ヨーヨーストリングとフリクションステッカーが接触するのです。この瞬間に大きな摩擦が発生しヨーヨーストリングがヨーヨーアクセルに噛み込んで、スリープを終了しリターン動作が始まります。
ヨーヨーストリングとヨーヨーアクセルの摩擦は非常に小さい。
ヨーヨーストリングとヨーヨーボディの摩擦は、通常小さく、刺激を与えることにより突然大きくなる。
これがフリクションステッカーとボールベアリングアクセルの大きな特徴です。
特にフリクションステッカーは、ヨーヨーストリングへのわずかな刺激により、まるでスイッチを入れたかの様にその特性が反転します。
これは、すなわちルーピングトリックにもストリングトリックにも適していると言うことなのです。すばらしい!
この様に固定軸のヨーヨーに比べると格段に性能が上がっていますが、それと引き換えにメンテナンスが必要になりました。
主なメンテナンスはフリクションステッカーの交換とボールベアリング軸への注油です。
メンテナンスを行わないと固定軸ヨーヨーより性能が悪くなるので注意してください。
高性能を維持するにはメンテナンスが必要です。